英名	Rhodochrosite (Incarose)
和名	菱マンガン鉱
主な産地	アメリカ、アルゼンチン、ペルーなど
モース硬度	3.5～4
比重	3.40～3.72
色	赤　ピンク　褐色

インカローズとは

インカローズは13世紀の南米アルゼンチンで初めて発見され、1813年にドイツの鉱物学者ハウスマンによって「ロードクロサイト」と名付けられました。
ロードクロサイトはインカローズの正式名称で、古代ギリシャ語でバラ色を意味する「rhodokhros(ロドクロース)」と石を意味する「lithos(サイト)」が組み合わさってその名が付けられました。その後、インカ帝国の栄えたアンデス山脈から産出されるバラ色の石として「インカローズ」という呼び名が生まれ、世間で広く認知されるようになりました。
現在インカローズはアルゼンチンの国石に指定されています。

インカローズはピンクや赤の地色に白色の縞模様が入っているのが特徴で、赤みが強く透明度の高いものほど価値が高いとされています。
産地によってそれぞれ特徴が異なり、そのなかでもアメリカのコロラド産インカローズは発色も透明度も最高品質と評されるほど美しいのですが、現在では採掘場が閉山してしまったために価格が高騰してきています。このほかにもアルゼンチン産は鮮やかな赤や青みがかったピンク色をしたものが多く、ペルー産は落ち着いた赤色や茶色っぽい色味をしているなどの特徴があります。

加工することによって模様がバラが咲いたように見えることから、インカローズはアクセサリーとして特に女性から絶大な人気を誇っています。ただ、硬度が3.5～4と低いために傷つきやすかったり、日光に長時間当たることで褪色しやすいなど繊細な石でもありますので取り扱いには注意が必要です。