英名	Iolite
和名	菫青石（きんせいせき）
主な産地	ブラジル、インド、スリランカなど
モース硬度	7～7.5
比重	2.53～2.78
色	青色～紫色・帯灰青色・薄黄色など

アイオライトとは

正式な鉱物名はCordierite（コーディエライト）といい、フランスの地質学者コルディエから名付けられました。
アイオライトという通称はギリシャ語ですみれ色を意味する「ion」が語源となり、和名では菫青石（きんせいせき）といいます。
また、同じ9月の誕生石であるサファイアに似ていることからウォーターサファイアという別名でも呼ばれ、サファイアの偽物として市場に流通していたこともあったようです。

名前通りの美しいすみれ色が特徴ですが、アイオライトは多色性という性質を持ち合わせています。見る角度や光の当たり方によって見える紫色や青色、青みがかった灰色や薄黄色などのシックで独特な色合いはアイオライト最大の魅力といえるでしょう。

大昔にはバイキングが日の当たり方で色合いが変化する特性を用いてアイオライトを羅針盤代わりにしていたとされています。コロンブスよりも先にアメリカ大陸に到達したレイフ・エリクソンもアイオライトを携えて航海したといわれており、その後も旅の安全を願うお守りとしてバイキングたちに長く愛されてきました。
このような歴史からアイオライトは持ち主の進むべき道を指し示す「導きの石」として、視野を広げたり、新しい一歩を踏み出すための判断力と決断力をもたらすといわれています。

アイオライトが雲母に変質し、断面が桜の花のような模様をした桜石と呼ばれるものも存在します。京都府亀岡市で発見された桜石は稗田野菫青石結晶として国の天然記念物に指定されています。