英名	Gibeon
和名	鉄隕石（てついんせき）
主な産地	ナミビア
モース硬度	9
比重	7.8～8.2
色	黒、灰色、褐色（メッキ加工前）

ギベオンとは

ギベオンは鉄隕石の一種です。ギベオンの元となる小惑星の欠片（メテオロイド）は地球とほぼ同時期に生まれ、およそ46億年も前に形成されたものといわれています。
軌道を外れ地球に落下してきたものはそのほとんどが大気圏で蒸発し、残ったものも海に落ちてしまうため地上で発見されるギベオンはほんの一握りで大変貴重です。

初めてギベオンが地球に飛来したのは4億5千万年前で、爆発しながら飛散しナミビアのナマランド砂漠で275平方メートルにわたって落下したと考えられています。
その後1936年にイギリスの探検家J.Eアレクサンダー氏によって発見され、ナミビアのギベオンという地域で発見されたことから地名と同じ「ギベオン」と呼ばれるようになったといわれています。

ギベオンの最大の特徴は独自の幾何学模様です。この模様はギベオンに含まれるニッケルが100万時間という長い期間をかけて冷やされ八面体模様に結晶化したものに、酸によるエッチング処理を行うことで浮かび上がります。
この構造は「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれ、研究が進んでいる現在でもこの構造は人口的に作ることが不可能だといわれています。
ウィドマンシュテッテン構造は1804年に学者のG.トムソン氏が、1808年にはベッカー・ウィドマンシュテッテン氏がこの構造を発見し、2人目の発見者の名前から名付けられています。

ギベオンの神秘的な美しさは世界中で人気が高く、有名な時計ブランドであるロレックス（ROLEX）ではギベオンを文字盤に採用したモデルなども存在します。
このほかにもブレスレットやビーズのように球体に加工されたものは波紋のように見えたり、また違った美しさを堪能できます。

ギベオンは表面をロジウム加工でコーティングされます。シルバーやゴールド・ピンクゴールドなどのバリエーションがありますが、特にクールでオーソドックスなシルバーが人気です。
鉄質でサビに弱いので、コーティング加工が施されていても汗や水分などには十分注意するようにしましょう。