英名	Sapphire
和名	青玉（せいぎょく）
主な産地	スリランカ、タイ、カンボジア、インドなど
モース硬度	9
比重	3.99～4.05
色	青色、紫色、ピンク色、黄色、オレンジなど

サファイアとは

深いブルーが美しい9月の誕生石です。
ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、アレキサンドライトとともに五大宝石のひとつとして数えられており、サファイアは最も知名度がある天然石の一つではないでしょうか。
青色は神聖、誠実を象徴する色と古くから考えられており、古代ギリシャ時代や中世ヨーロッパではサファイアは王族や聖職者が身に着ける装飾品として長く愛好されてきた歴史があります。このことから青色という意味を持つラテン語の「sapphirus」、ギリシャ語の「sappheiros」が語源となりサファイアと呼ばれるようになったといわれています。

ヨーロッパの結婚のおまじないとして「サムシング・フォー」というものがあります。サムシング・フォーとは結婚式の当日に「なにか新しいもの」「なにか借りたもの」「なにか古いもの」「なにか青いもの」の4つを取り入れると花嫁に永遠の幸せが訪れるというものです。このことから誠実や一途の愛を象徴するサファイアを「なにか青いもの（サムシング・ブルー）」として花嫁に贈る風習が現在でも残っています。

サファイアはコランダムというグループに属し、ダイヤモンドに次ぐ高い硬度を誇る鉱物です。コランダムのなかでクロムを含み赤色をしたものはルビー、鉄やチタンを含みそれ以外の色合いをしたものは基本的にすべてサファイアとされています。
単純にサファイアと呼ばれるものは一般的にブルーサファイアを指すことが多く、また同じブルーサファイアでも産地によってさらに細分化されます。スリランカ産は少し紫がかった透明度の高い青色が特徴で、ミャンマー産は「ロイヤルブルー」と呼ばれる濃く深い青色、インドのカシミール産は「コーンフラワーブルー」と呼ばれる柔らかく優しい青色をした特徴があります。特にミャンマー産とカシミール産のブルーサファイアはその色合いの美しさから高値で取引される傾向があります。
また、青色以外のサファイアはファンシーカラーサファイアと呼ばれます。
ファンシーカラーサファイアは紫、ピンク、緑、黄色、オレンジなど多彩なカラーバリエーションを持ちます。なかでもオレンジがかったピンク色のサファイアは蓮の花のつぼみを意味する「パパラチアサファイア」と呼ばれ、希少性が高くブルーサファイア以上の価値が付けられます。

このほかにも光を当てたときに六条の光の筋が現れるスター効果を持つものや2色の色合いを持つバイカラー、光源によって色合いが変化するカラーチェンジサファイアなども存在します。サファイアはあらゆる魅力が詰まった、奥が深い石だといえるでしょう。

宝石としての質が低いサファイアは硬度の高さを生かし工業製品に加工されます。腕時計の風防や軸受け、レコード針などに用いられたり、半導体の基板として利用されることもあるそうです。

硬度が高い石ですので取り扱いについて特に注意する点はありませんが、良い状態で長く使うためにも日常的なお手入れは欠かさず行うようにしましょう。